難民不認定事例その2(政治的意見)

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難民不認定事例その2(政治的意見)

コラム

2018/04/19 難民不認定事例その2(政治的意見)

難民不認定の場合の例として、「政治的意見による迫害」を申し立てた例を見てみましょう。

 

難民不認定事例5:

本国において、facebookに野党を支持し、政権を批判する投稿を行ったところ、facebookから与党の党員と思われる者から脅迫を受けたことから、帰国した場合、本国政府から迫害を受けるおそれがあるとして、難民認定申請を行ったケース。

ポイント:

申請者は、申立ての裏付けとなる資料を提出せず、又、日本にある本国政府機関に自ら赴き旅券の更新手続きを受けるなど、迫害を受けるおそれのある者の行動としては不自然であることなどにより不認定とした。

 

難民不認定儀礼6:

本国において、憲法改正を求めるデモに度々参加したこと、デモに参加した際警察に写真を撮られ監視されるようになったことから、帰国した場合、本国政府に逮捕されるおそれがあるとして難民認定申請をおこなったケース。

 

ポイント:

申請者の参加したデモは、多数の参加者の一人として参加したにすぎないこと、申請者及び家族が本国政府官憲から身柄拘束等をされたことがないこと、申請者は、デモ後何ら問題なく自己名義の旅券の発給及び本国からの出国手続きを受けていることに加え、技能実習生として日本に入国していること、また本国における政治活動や言論に対する規制が大幅に緩和されていることから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められない。

 

02-14736

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難民不認定事例7:

申請者は、本国において反政府組織の熱心な支持者であり、同組織のデモに度々参加していたが、「デモに参加した者は逃がさない」と警察官から警告されたため、帰国した場合、逮捕され投獄されるおそれがあるとして難民認定申請を行ったケース。

 

ポイント:

申請者及び家族は、警察官から身柄拘束等をされたことがないこと、申請者は、何ら問題なく自己名義の旅券の発給、本国からの出国手続きを受けていること、申請者の家族は申請者が本国を出国して以降本国政府官憲から接触をうけたことがないこと、出身国情報によれば、本国政府が問題視しているのは、指導的立場にある者及び暴力的な抗議活動に参加した反政府組織の構成員であると認められ、申請者は同組織の支持者に過ぎず構成員ではないこと等から、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められない。

 

難民不認定事例8:

本国において、ある政党の党員として、隣国との国境問題に関して本国の政権与党を批判するデモを行ったところ、警察に連行され、デモをやめるように警告されたことから、帰国した場合、本国政府から迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったケース。

 

ポイント:

申請者は、多数の参加者の一人としてデモに参加したにすぎず、デモに参加した後警察に連行されたというものの、口頭で注意を受けたのみで身柄拘束等はされていないこと、その後何ら問題なく自己名義の旅券の更新手続き及び本国からの出国手続きを受けていることなどから、条約難民の要件である迫害をうけるおそれがあるとは認められない。

 

難民不認定事例9:

申請者は政党Xの党員として活動していたところ、政党Xと政党Yとの間で起こった争いで、政党Yの関係者が殺害され、その犯人が申請者のいとことされたため、政党Yの関係者から、申請者が上記殺害を計画したと疑われ、脅迫や暴行を受けた上、自宅を襲撃され、両親が脅迫を受けたことなどから、帰国した場合、政党Yの関係者から迫害を受ける恐れがあるとして難民認定申請をしたケース。

 

ポイント:

申請者の主張する迫害主体は、政党Yの関係者であり、本国政府当局が政党関係者の違法行為を放置助長するような特別な事情があるとは認められないこと、実際に暴行を加えられた後、その関係者は逮捕されたおり、本国政府が政党Yの関係者による違法行為を取り締まっている状況が認められることなどから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められない。

 

どうでしょうか?

政府官憲から身柄を拘束されたか、暴行等の身体的危害を加えられたか等がポイントになると思われます。旅券の更新手続きが問題なくされている場合は、迫害を受けているとは言えないでしょう。

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