難民不認定事例その1(人種、宗教)

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難民不認定事例その1(人種、宗教)

コラム

2018/04/18 難民不認定事例その1(人種、宗教)

難民認定申請した者のうち、99%は不許可になります。その代表的な例をみていきましょう。

 

不認定事例1:

申請者は、ある国の民族Xであるが、その民族Xの言語を話していたため、学校の先生に脅迫されたり、民族Yの同級生から差別的な言葉を言われ続けたりしたことから、帰国した場合、民族Yから迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請をしたケース。

 

ポイント:

申請者の家族は、本国で問題なく生活しており、又、本国では民族Xの用いる言語による教育やテレビ・ラジオ放送が認められており、当該言語を保護する動きが認められる上、本国政府が民族Xの人権保護に取り組んでいることなどから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められない。

 

不認定事例2:

申請者は、本国において少数民族であり、人々から差別されていたことから、帰国できないとして難民認定申請をしたケース。

ポイント:

申請者が本国において少数民族であることによって受けた扱いは、近隣住民から見下された程度であって、難民条約上の迫害に当たらないことから、不認定とされた。

 

 

不認定事例3:

申請者は、ある宗教を信仰しており、本国では、その宗教を信仰していることが分かれば疎外されるため、隠れて信仰しなければならなかったこと、その宗教の信者であることを知っている人から見下され侮辱されたことから、帰国した場合、別の宗教の信者から差別や抑圧を受けるおそれがあるとして難民認定申請をしたケース。

ポイント:

申請者は、別の宗教信者から身体的危害を加えられたことはない上、その宗教を信仰している家族は本国で問題なく暮らしていること、本国政府はその宗教の信者を巡る状況の改善に取り組んでいることなどから、条約難民の要件である迫害をうける恐れがあるとは認められない。

 

不認定事例4:

申請者は、宗教Mの信者であり、本国において宗教Pの信者から宗教Pに改宗しなければ殺害する旨の脅迫をうけたことから、帰国した場合宗教Pの信者から殺害されるおそれがあるとして難民認定申請をしたケース。

ポイント:

申請者は、宗教Pの信者から身体的危害を加えられたことはないこと、申請者の主張する迫害主体は「宗教Pの信者」であって、本国では、憲法により信教の自由が認められており、他人の宗教を妨害する行為は禁じられており、本国政府が私人による違法行為を放置助長するような特別な事情は認められないことから、条約難民の要件である「迫害を受けるおそれがある」とは認められない。

 

どうでしょうか? 人種や宗教において、直接的に危害を加えられた実績があるか、本国政府の政治状況や政策など個々の事案を考慮し、不認定としています。

 

 

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